虚脱ウィークデイ

働き始めてからというもの、今まで難なく書けていたはずの日記がかなり手強い存在に思えてきた。引きこもって暇だからこそ、すんなり書けていた。しかし、今は。 午前中は仕事をして、お昼に会社を出て街を少し散歩してから帰宅する。それから漂流日記の続編…

ルネサンス

困ったことがある。 土日でも仕事のことを考えたがる癖がある。ペンと紙と頭があれば、仕事のことを考えたがる。ペンと紙と頭を封殺し、その上で実生活とはかけ離れた趣味が欲しい。 という訳で、ジュンク堂で松坂和夫の『数学読本』と大学ノート、シャーペ…

双六

土曜日の朝、木曜日にロフトで買ってきた卓上カレンダーを開封する。各月の日付が記載された厚紙の裏は無地。カッターと定規でササッと下端3cmほどを切る。 次にネットサーフィンをする。それっぽい画像を見つけたら保存、6枚集める。イラレで6枚それぞれに…

光(5日目)

うとうとしているので記憶があやふやなのだが、どうも毎朝6時頃に外から大きな音が鳴り響いているようだ。誰だ。 6時半に起き、ラジオ体操と朝食。少し早く家を出ていれば、開かずの踏切に化ける前に向こう側へ渡れることを知っている。今日はサラリーマンが…

風景(4日目)

名古屋時代の旧居と比べて、今住んでいる家の窓は少し大きい。旧居から持ってきた遮光カーテンを付けているのだが、丈が微妙に足りない。早朝5時30分には東向きの部屋に柔らかな光が差し込んで目が覚める。スマートウォッチのアラームは6時40分。 あと70分眠…

生活(3日目)

現在、リハビリ勤務ということで午前中のみの勤務となっている。さて、この間のお給料はどうなるのだろうか。聞けば午後からは早退扱いとなり、給与は満額からさっぴかれるらしい。そうだとは思っていたけど、現実を突きつけられるとさすがにへこみ、とぼと…

目覚め(2日目)

午後4時。梅田のカフェから帰宅して、コップを台所の棚から取り出す。氷といいちこを放り込んで、ついばむようにちまちまと飲む。今日くらい、いいじゃないですか。 ダラッとした姿勢でLINEを見ていたら、友人からメッセージが入っていた。こころのコンディ…

生還(1日目)

朝早く起きて、ラジオ体操をする。1、2、3、4。それから、昨日ユニクロで買ったシャツに付いているシールなどを剥がし、身に着ける。上からスーツを着る。そして、ネクタイを巻く。 1年半ぶりにこの格好になる。白髪が増えてなんだか老けちまったなあと思う…

ブラックホール

5月4日に開催された福井県高浜町USFES。毎回凄いなと感じるのだが、今回はさらにエネルギッシュだったように思う。様々な人々が集まって大きな渦になって求心力を生み出していく。そう書いてみるけど、上手い言葉が見つからない。そういえば「大人の文化祭」…

大渋滞

引きこもり生活が終わるまで残り1週間。今しかできないことをと思い始めるが、特に思い浮かばない。いつもお世話になっている庄内の『犬と街灯』さんに伺ったり。3年ぶりに大学の友人に再開したり。そんな感じ。 USFESの準備をしなければならない。持ってい…

クオリティ・オブ・リーディング

一人暮らしをする分には、現在住んでいるこの家は中々の大豪邸だと思う。自分で言うかという話であるが。旧居に比べて広いリビングもさることながら、四畳半のロフト付きときたもんだ。旧居は旧居で素晴らしかったのだが、新居は素晴らしいというか凄まじい…

本丸

引っ越しから数日、作業や買い物もやっと落ち着いてきた。朝起きてラジオ体操をして身体をほぐしたら、この街で蔵書数の多い図書館へ自転車をこぐ。しかし、今日は4月にしては暑い夏日。しばらく自転車をこぐと背中が湿っぽくなり、都心のコメダに入って涼む…

消えたかったベランダで

とうとう全ての荷物が段ボールの中へ収まった。区役所で転出の手続きも終えた。引っ越しまであと少し。 名駅のデパ地下で見つけたお菓子を携え、会社へ向かう。お世話になった皆様にご挨拶する。支社長は僕の日記やゲリラ古書店のことをどうも知っているらし…

脱ゴロゴロ生活、春の陣

社員証を失くしたと思っていたのだが、あれはどうもタイムカードという名であるらしい。休職している間に混同してしまっていた。急いで総務の方に訂正とお詫びの連絡を送る。こんな調子で本当に復職できるのか、さすがに不安になってくる。 掃除と梱包を繰り…

5人のてきちゃんと8人の読書会

本棚に並んだ本をどんどん段ボールに詰めていく。引っ越し業者さんから受け取った全ての段ボールで、全ての本を収めていく。作業を終えてベッドの上でゴロゴロしていると、読書会に持っていきたかった双極性障害に関する本まで詰めてしまったことに気づく。…

嘘と目

つきたい嘘が特に思い浮かばないまま、いつの間にか4月になっている。復職まで1ヶ月を切り、僕のグータラ生活が終わりを迎えようとしている。それはそれで、なぜか寂しくなる。 元来、嘘が大好きな人間である。あることないこと適当なことばかりを喋ってはボ…

絶望書庫

創元SF文庫の『SFマンガ傑作選』を読む。文庫サイズで600ページ、とても分厚い。手塚治虫や石ノ森章太郎に諸星大二郎、名だたる漫画家たちの作品が収められている。その中でも、佐々木淳子の『リディアの住む時に…』、佐藤史生の『金星樹』の2作に心奪われる…

てきちゃん紛失日記

社員証を失くす。 駅の改札を出てから、パスケースをズボンのポケットに入れて自転車に乗った。ドラッグストアに寄り道して、家に帰った時にはパスケースがポケットから消えていた。大切にしていたパスケースだったのでショックを受ける。福祉特別乗車券もそ…

打撃練習

3年前に大阪から名古屋へ移った際、諸々の手続きは会社を介して進められた。僕がすることと言えば、自宅に届いた書類にいろいろなことを記入し、判を捺し、実家の車に本や衣類を載せて名古屋へ運んだくらいである。僕はペーパードライバーなので父が運転し、…

怖い光

幼い頃から、いつも有るものがふと消えたり、いつも無いものがふと現れたりすると妙に不安な気持ちになる。特に、光だと。 深夜に点灯を止めた信号や、スイッチを押して赤く光りだす浴室の換気扇ボタンを見ると、なんだか吸い込まれそうな感覚になる。 宅配B…

新しい城主

ロフトと棚のある物件を見つけた。北向きの居室であるが、これなら蔵書は収まるだろうか。ただ、間取りを見る限り冷蔵庫を置けるのか少し不安だ。問い合わせてみると、すぐにコンセントの位置やアースの有無がわかる写真付きで返答が届いた。早くて丁寧、信…

僕が偉大な10の理由。

顎の奥に力が入る。噛み合わせる。そのままさらに力を加えそうになっては、いけないいけないと緩める。ガルルルルと唸りながらスマホを見ている。 SUUMOで物件候補を絞り込み、いざ不動産屋とやり取りしてみると、既に商談中になっていたりする。嫌々ながら…

翡翠色の渚にて

食欲が無い。元気が無い訳ではない。ただ、何も食べなくても生きていけるような感じがする。必要性を感じない。これは危ない兆候だと思って、無理やりにごはんを食べる。たぶん躁気味。 セブンイレブンに行く。ファミマの専売特許と思っていた芋焼酎のハイボ…

フレイバー試論

【個人的なメモです】 聴けば聴くほど不思議だなあと思う曲がある。marinoの『フレイバー』という曲である。 フレイバー - song by marino | Spotify marino フレイバー - YouTube ふわふわポップ全盛期だった頃の中田ヤスタカの楽曲提供曲で、2006年リリー…

街の重力場について

目覚めてカーテンを開いたら、スマホでYoutubeを開く。「ラジオ体操」と検索して、ラジオ体操第一・第二・第三をぶっ通しでやる。9分間、きびきびと動く。終盤になると結構ハードになり、肩や腕をぶんぶん回すのでほぐれていく。ストレッチなどあれこれ試し…

遠ざかる、遠ざける、薄暗い朝

2月28日、実家を出て名古屋に帰る途中、研究室の後輩たちの卒業設計展示会を見に京都へ行く。先日発表された学内最優秀賞も優秀賞も全て、うちの研究室のメンバーだったようだ。えらいこっちゃである。見に行かなければならない。ところが、コロナ禍の状況下…

そもそもケアってなんだろう(4)

【3ヶ月前の内容です、やっと書けた...(遅いわ!)】 11月27日の早朝、カプセルホテルで目を覚ます。歯磨きや着替えをして、エントランスで預けていた荷物を受け取る。 ホテルのある歌舞伎町から小田急新宿駅まで荷物を運ぶ。キャリーケースのタイヤが摩耗…

ありではある街

割と安くて、割と新しくて、うんと広いお部屋に住みたいな。現在の1Kの部屋一面に溢れた本の山を売却する気もなく、素晴らしき読書空間をいかに手にするか、そればかりを考えている。 そうは言っても、職場へのアクセスを考えると都心に近い方がいい。大阪市…

眺める終わりと始まり

暇を持て余している。転勤のスケジュールが1ヶ月延びて、少し張り詰めていた心が緩んで、とろんとした目をしている。 一方で、この暇を活かして『てきちゃん漂流日記』の2巻を制作しようとしても中々熱が入らない。1巻制作時の集中力がもう出ない、それは寛…

おもちゃ箱

興味がこちらに移っては、あちらに移る。挙げ句の果てに同時並行で10冊ほど読もうとするのだが、1日は24時間、限界がある。そして、こんなにたくさん読めやしないと少し落ち込む。中には勉強しようと思って手にとった本も混じっていて、不勉強な自分になおさ…