テキイグチ・レポートⅢ

古本市当日の朝、ホテルを出て駅前のパン屋で朝ごはんを買って会場へ向かう。僕らのブースには長机と3つの椅子。これをお店に仕立てていく。

とりあえず、持ってきた箱などを積み上げて立体感を出す。平積みだけでなく、立てかけるようにして表紙をドンと見せられるような構造にしたいが結構難しい。中央にはラムネの絵が描かれた手ぬぐいを敷いて爽やかな感じにする。活動マップやクマ・ペンギンの置き物、ショップカードやスケッチブックなども配置する。

それから本を並べていく。表紙がアイキャッチとなるような本を目立たせたいが、置き方に正解はない。いろいろ試行錯誤しながら決めていく。それが本当に不思議で面白い点である。


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午前10時、さあオープンだ。僕は立ち上がり、真っ先に隣のブースのうきわ書房さんに駆けつける。選りすぐりの漫画がたくさん販売されていることを、SNSで事前に嗅ぎつけていた。特に買いたかったのは自主制作漫画誌『USCA』の4・5巻。1・2巻は持っていたものの、以降の巻がどうしてもどうしても見つからなかった。まさか高松で出会えるなんて。ますます西方浄土の意味が「西に行ったら良い本が見つかること」の気がしてきた。あとは3巻だ、待ってやがれ。逆に、うきわ書房さんがてきちゃん漂流日記をお買いになる。お酒が飲みたくなるが、ポカリで我慢。

 

オープンしてちらほらお客さんがやってくるが、みんな鋭い眼光で怖い。お目当ての本を探してもはやサメのように回遊している。しかし、一度は通り過ぎたお客さんがしばらくすると戻ってきて、「やっぱりこれにします〜」と買われることがある。なので、僕たちがすべきことは、にこやかにお客さんをお迎えすること、時間が経ったら回遊に備えて本の配置を変えること、さらに時間が経ったらスケッチブックのフリップを変えること。これで、戻ってきても新しく見えるようにする。ビビらず誠実に向き合えば、サメもいつかはイルカくらいになるのである。

とはいうものの、いぐっちゃんの大型建築本『CONCRETE CONCEPT』が早速売れる。僕が持ってきた手塚治虫の『ロスト・ワールド』も売れる。割と高めな本がいきなり売れてしまい、お互いキョトンとして顔を見合わせる。しれっと漂流日記もさらに売れている。意外な本から売れていく。こうなってしまうと、もはや何が売れるのかさっぱりわからない。が、売れた喜びでテンションは上がっており、あまり細かいことは気にせず頑張ってみることにする。f:id:labotekichan:20210722172129j:imagef:id:labotekichan:20210722172143j:image

 

昨日挨拶したアクセサリー屋さんやお茶屋さんも僕たちのブースにお越しになられて嬉しくなる。他の古本屋さんや運営スタッフさんとも仲良くなって、ほんわかした雰囲気が漂ってくる。そうなると、緊張感がなくなってほんの少し僕は饒舌になっていく。仲良くなった人にいぐっちゃんの謎なぞなぞを出題してみる。結果、正答者0名。なぞなぞ集団フジモテキイグチと勘違いされる。共通の知り合いを持つ方がいらっしゃって盛り上がる。後で知り合いの方からSNSでメッセージが届いて嬉しくなる。また、和山やま作品の話などをしたくなった。

 

にわか雨が降ったり、止んで蒸し暑くなったりする。僕たちのブースは大屋根のど真ん中なので雨の被害はなかったのだが、蒸し暑くて呼吸がしづらくなっている。一方で、本の話ができること・売れることによるホンヤーズ・ハイの境地は確かに存在しており、僕の健康状態がその天秤の上で揺れている。スマートウォッチで心拍数を確認し、時には深呼吸しながら冷静になって店頭に立つ。

店番をしながらこっそり他のブースへ本を買いに行く。吸い込まれるように選書の世界へ吸い込まれて、いつの間にかとんでもない量の本を手にしている。稲垣足穂の『飛行機の黄昏』を手に入れたので大満足。

以降も落ち着いた雰囲気でお客さんを迎える。もはやしゃべくり漫才師フジモテキと化していた4月高浜町USFESとは大違いである。

気づけばイベント終了の午後4時。めちゃめちゃ売れている。いぐっちゃんに至っては残り数冊しか残っていない。売れすぎて、逆に尼崎の古本市に何を持っていくか悩むことになりそうだ。どうしましょう。

撤収作業に入る。本をキャリーケースに詰め込むが、本を買いすぎたために行きの冊数と大して変わらない。家から蔵書を減らすはずが、積ん読がはちゃめちゃに増えてしまった。高松駅のスタバで振り返りをする。いぐっちゃんが今日の改善点というか、これをしたい!ってことをメモにしていて偉いなと思った。ホンヤーズ・ハイのタイマーが切れた僕は半開きの目とともにフラペチーノを飲むが、あんまりにもぼーっとしていたのでかき混ぜるのを忘れて、上のクリームが残ってしまった。

 

お土産を買って、高速バスで大阪へ帰る。窓からぼんやりと景色を眺め続ける。2月は緊急事態宣言にビビりながら医師の進言で飛騨高山を旅行した。なのに4月は福井県高浜町、7月は香川県高松市にハイテンションでやってきた。心のどこかで、遠くの街でこんなに楽しんでいいのかと思うことがある。コロナ禍のニュースで心が痛むことも多々ある。実生活と社会、二項対立では割り切れないグラデーションの海でもがき続けている。それは2月からずっと変わらない。それでも、光を求めて、自分の信じる方へ進むしかないように思う。

ここ最近は楽しい生活を送っている。でも、このニート生活がいつまでも続く訳がない、必ずどこかで終わりが来る。時折、会社の方々に申し訳なくなることもある。どこかで、何者になるか決めなければならない。サーカスの玉乗りみたいな日々が近づいている。その焦燥感が押し寄せている。

テキイグチ・レポートⅡ

高松港からシャトルバスで高松駅のホテルに向かう。荷物を置かせてもらいたいが、スタッフがいないのでエントランスの椅子に座ってぐうぐう眠る。

6時頃にスタッフ到着。荷物を置かせていただき、圧倒的質量から解放。リュックとトートバッグだけのるんるんトラベル。それから一箱古本市の会場であるサンポート高松を下見する。大屋根の付いた広場、周りは海、ここで本を売ることになる。いい眺めだが、海風で本が吹っ飛ばないか心配だ。幸い、僕らのブースは広場のほぼ中央であるが。

高松駅前にご当地キャラ「親切な青鬼くん」の石像がある。かまぼこ板のような側面を見て爆笑する。マリオに出てくるバッタンかいな。

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7時、うどんを食べる。肉釜あげうどん、うずらの天ぷら、豚天ぷら。コシがあってモチモチでおいしい。

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8時頃、丹下健三設計の香川県庁舎を見る。うおードミノシステム!建築の収まりの良さ

などの感覚が、学生時代あまり興味なかった僕にはよくわからない。けれども、柱の一部を溝のように凹ませてそこに排水パイプを通す、排水パイプを浮き出ない・目立たないようにしているのを見たりすると、計算されているなとやはり思う。その部分の写真を撮るのを忘れた。
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それから少し歩いて、オープン前の古本屋「YOMS」さんに着く。店の前に置かれているフリーペーパーをたくさんゲットし、カフェで実物を見ながらフリペ制作の作戦会議をする。が、僕の睡魔は限界に達しており終始むにゃむにゃしていた。何故かいぐっちゃんがやっているソシャゲ、シャイマスのガチャを僕が引くことになる。10連ガチャ×3回。限定レアを2枚当てる。なかなかの豪運らしい。

10時、「本屋ルヌガンガ」さんに行く。湯川秀樹の『詩と科学』、かこさとしの『科学者の目』などの本をついつい買っちゃう。科学の本が充実していて嬉しくなる。本を売りにやってきたのに大丈夫だろうか。漂流日記の委託販売の交渉をするが、もう眠気と緊張が凄すぎてしどろもどろしている。一応、サンプルを受け取って頂いたが、後ほどいぐっちゃんに「てきちゃん、そんなにしゃべるの下手でしたっけ?」と聞かれる。下手ですが......

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昼頃、本日3杯目のうどんを食べる。肉つけ麺うどん。食べたあとは釜湯をつけ汁に注いで飲む。暑い日だが、ほっこりする。ただ、もうおなかいっぱい.....うどんの写真も撮り忘れる。

うどん屋を出ると、自転車にサイドカーが付いて屋根も付いた謎の乗り物が走っている。サイドカーに発泡スチロールが積んであるのできっと魚の行商だ。いぐっちゃん曰く、あれは昔、建築の卒業設計日本一決定戦で有名になったものだと言う。追いかけるしかない。結構なスピードで走って追いつく。奇怪な見た目の乗り物だが、機能的で便利そうと思った。

12時、オープンした「YOMS」さんに行く。長年探していた中島らもの『西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退』を発掘する。昔、実家の本棚にこの本があり、中学生の頃に盗み見てケラケラ笑っていた。古き良きカンサイ人の匂いが漂う。西方浄土は「西に行ったら良い本見つかるで」の意味かもしれない。

午後、海の見える一箱古本市の会場を偵察する。古本ブースのディスプレイをこっそり観察。古本屋さんだけでなく同時開催ののみの市に出店しているアクセサリー屋さんなどにも挨拶する。突貫工事で制作した名刺サイズのショップカードが大活躍。考案者のいぐっちゃん、さすがであります。f:id:labotekichan:20210722071154j:image

それから電車に乗って有名な仏生山温泉に行く。郊外へ行けば行くほど電車の縦揺れが強烈になっていく。寝ているいぐっちゃんが今にも吹っ飛びそうになって不安になる。

仏生山温泉には三角コーンの柱で接続された長さ50mの古本売り場があった。1冊200円。たまらず谷崎潤一郎の『文章読本』を買う。最近、斎藤美奈子の評論『文章読本さん江』を読んだところだったのでこれはラッキー。
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晩ごはんを食べて、ホテルの部屋に戻ってマーカーを取り出す。鉛筆の下書きをなぞって、スケッチブックの清書をする。疲れたので早めに寝る。目にはホットアイマスク、足には休足時間6枚を貼る。馬鹿みたいに足がスースーするのでこりゃ失敗かと思ったが、少し時間が経てば眠りについた。

 

夢の中で本を売っている。

 

目覚めて、夢だと知り、もう1回本を売らなければならないことに気づいた。

テキイグチ・レポートⅠ

16日の朝、藤本さんから連絡が入る。どうやら、ここ最近お仕事を頑張りすぎたためか体調を崩してしまったらしい。コロナではないようだが(そもそもコロナの方から逃げていくと思われるが)、心配である。という訳で18日に高松市で開催される「海の見える一箱古本市」はテキ・イグチの2人体制となる。日記のタイトルが「フジモテキイグチ・レポート」となるのは来週の尼崎イベントかな。

とはいえ2人体制だと本の数に物足りなさを感じてしまいそう。ラッキーなことに、午前中に瀬戸のひとしずくさんに漂流日記を納品する予定にしていた。ひとはこ本屋ブースから、置かせていただいている僕らの古本をいくつか回収して高松に持っていくことにする。

午後、漂流日記も数冊追加しキャリーケースに詰め込む。膝で挟んで力を入れて、無理やりキャリーケースを閉める。おそらく50冊くらい入っている。玄関へ運ぶことすら一苦労。他にも陳列用の箱などが入った袋、キャリーケースに入りきらなかった本を入れたトートバッグも持っていく。これらを名古屋駅へ運搬する。腕の筋肉が既に悲鳴を上げている。

夕方、近鉄特急ひのとりプレミアムに乗る。無料のロッカーが車内に設けられているので、キャリーケースをこの中に封印する。重力から解放された気分になり、さらに席のリクライニングも倒してウキウキになる。

近鉄特急の、山をぶち抜いて大阪に向かっていく感じが好きだ。桔梗が丘や南が丘といった住宅地の風景が流れていくのも良い。逆に言えば、名古屋駅から津駅の区間は平坦なので退屈である。だから、津駅に到着するまでにノートパソコンでメールの返信をしたりする。漂流日記を制作してから、いろいろな本屋さんとコンタクトを取るようになった。よくわからないまま、なんだかおおごとになっていく。会社の人たちには想像以上に日記がバレているらしいし、会社の悪口も書けやしない(特にないが)。これから僕はどうなっちゃうのだろう。まあ、なんとかなるっしょ。そう思いながら津駅を出発した外の景色をぼんやりと眺める。青山高原を駆け抜けて、奈良盆地へと下り、生駒山地を越えればあっという間に大阪難波。泣く泣くキャリーケースをロッカーから解放して連れて行く。車が欲しい、せめて駐車ができるようになってレンタカーを安心して借りれるようになりたいと、ペーパードライバーの僕は切に思う。

難波に着いた頃、ちょうど帰宅ラッシュの時間帯で、クソデカ荷物の僕は快速急行に乗れないことに気づく。仕方ないので鈍行で神戸三宮に向かう。それでもなかなか座れず右往左往している間に、三宮に着いてしまった。ヘロヘロでバスターミナルの椅子に腰掛けていぐっちゃんを待つ。

 

しばらくして、いぐっちゃんがやってきた。持ってきた本を見せてくれた。香川の本と手渡してくれた本の表紙タイトルが『岡山はおだやか。』となっている。『香川はおおらか!』と間違えて持ってきちゃったらしい。岡山の一箱古本市を探そうか...

バスに乗って神戸港のフェリーターミナルへ向かう。ジャンボフェリーのチケットを入手して椅子に座り、持ってきたスケッチブックに書く内容を考える。

安西先生、読書がしたいです...」

「綺麗な顔してるだろ。本なんだぜ、それで。」

「それってあなたの読書体験ですよね?」

など、ネットミームに毒された2人の独擅場と化す。なぞなぞ名人いぐっちゃんの謎なぞなぞも書き加える。答えられたら2割引。

 

17日午前1時、ついに船に乗り込む。高松へ本を密輸入だ。昨秋の西伊豆逃避行でフェリーやバスに乗った時、めまいが乗り物酔いを無力化することがわかった。めまいさえ収まっていれば大丈夫なはず。と高をくくっていたが、どうも車が船に乗り込む時の振動が大きくて盛大に酔う。緊急事態用に持ってきた酔いどめトローチでごまかす。高松港に着いて気づいたが、どうやらコンテナなどの大型貨物を積んでいるようだ。そりゃあれほど揺れるわけだ。

 

とはいえ、荷積みが終わって出港すればそこは穏やかな瀬戸内海。次第に酔いも消えていった。売店で島うどんを食べる。さつま揚げのようなものがうどんに入っていると思ったら、実はおかきだった。だしで柔らかくなり濡れせんべいのような感じ、とてもおいしい。雑魚寝スペースで上着を畳んで枕にして眠る。

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翌朝5時、爆音でジャンボフェリーのテーマソングが流れ、高松港に到着する。寝ぼけ眼で船を降りる2人。怒涛の寝ぼすけ読書ツアー開幕である。

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熱中と制御

毎日がGWのような生活をしている。だいたいごろ寝だが。

でも最近は目を覚ましてはいろいろと活動していた。熱中して気が付いたら日記の更新頻度もまばらになり、今から書くことも事後報告になっちゃった。まあ、いいや。

 

4月下旬、島田虎之介の漫画『ロボ・サピエンス前史』を読む。下巻のとある1コマを見てピストルの弾が頭に当たったような衝撃を受ける。「性」や「伝統」という題材・モチーフから予知するロボットとSFの未来世界。自分の脳内の凝り固まった固定観念が全てくだらないものに感じて吹き飛んでいく、描かれたイラスト1枚で人間の認識をコロッと変えていく、その感じがたまらなかった。

 

4月26日(月)、えっさほっさと漂流日記1巻を定規とカッター、ホッチキスで製本していく。5冊作成。紹介文を小さな白い紙に書く、これも5枚づつ書く。ビニール袋に本と紹介文を入れてテープで留める。1時間で5冊できあがり。もはや製本の妖怪と化しているが、未だにホッチキスでミスをすることが多い。紙が多すぎて針が曲がる。友人曰く、とっとと高性能のホッチキスを買えとのこと。でも、ホッチキスより本を買いたい。

 

4月27日(火)、瀬戸の「本・ひとしずく」さんに持っていく古本を本棚から探す。ゲリラ古書店フジモテキイグチのブースに置くのだが、最初は愛知に住んでいる僕の本だけが置かれる予定。関西に住む藤本さんといぐっちゃんに会うたびに本を回収して、愛知に持って帰ってブースに置く、これを繰り返して3人の個性が徐々に出るようにする。それを逆算すると、2人の本が違和感なく登場できるように、最初に僕が持っていく本はジャンルをバラバラにしたほうが良い気がする。科学、文学、サブカル、漫画、建築、いろいろな本を選び、値段を付けていく。

 

4月28日(水)、ひとしずくさんに本を持っていく。漂流日記にも値段シールを付けて平台に置く。「ついにおめえもお店の商品になったんだ」としみじみした気持ちになる。店主の田中さんの友人さんたちがお手伝いしているので、僕も混ざる。


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納品書をチェックしながら、段ボールに入った本の冊数が合っているか確認する。築100年の古民家で、ちゃぶ台に置かれた納品書をせっせとチェックしていく。朝ドラの舞台としてよく出てくる、昔の商家の生活を送っているような気になった。納品書を見るのがとても楽しい。世の中にはこんな本があるのかと、驚きと発見。「ノンタンってこんなに種類あるの!?」とか。一生飽きずにできるなこれは。

納品書をチェックし終えたら、今度は棚を組み立てて、本を棚に並べていく。田中さんとあれこれ相談しながらジャンル・並べる本・配置を決めていく。気づけばあっという間に夜。田中さんの友人さんがカップ麺を持ってきてくださったので、3人で食べる。上水道が店に繋がっていないので、ペットボトルのミネラルウォーターを電気ケトルで沸かして注ぐ。大学時代を思い出した。電車に揺られて家に帰る。

 

そして、眠る。

ここ最近は、処方された睡眠薬を飲んで布団に入る。睡眠薬を飲まないと、頭の中で思考が勝手に進み、複数人が同時に喋るので眠れない。しかし、睡眠薬の力を借りれば、複数人の会話がシャットアウトされて、僕のゆっくりとした独り言が淡々と続く。追いかけることができる。自分の思考を客観視できる。緩やかに曲がった1本の糸が紡がれて走っていくのを見るイメージ。恐れていた眠るまでの(眠れない)時間が、密かな楽しみになっている。静かな躁を手にしている。眠気に関与しない睡眠薬を日中に飲めば天才になれる気がしたが、それはドーピングである。それにしても睡眠薬は凄い奴だなあと思うのだが、依存するのもダメなのでいつかは手放さないといけないのだろうか。それとも、淡々と1日1錠飲み続けてこれからも騙し騙し生きていくのか。わからないことだらけだ。わかったと思ったら、わからないことが別に出てくるのがこの病気である。

 

4月29日(木)、ひとしずくさんプレオープン初日。いきなり漂流日記が2冊売れたらしい。意外と売れる???慌てて5冊追加で製本する。

 

5月2日(日)、ついにひとしずくさんがオープン!おめでとうございます!購入する本を選びつつ、棚に本を入れるのをお手伝いしたりする。だいたいどこにどの本があるのか覚える境地に入りだす。

スマホを見ると、会社の先輩たちからLINEが来ていて、尾張瀬戸駅前でワーイって感じのポーズをとっている写真が送られてくる。明治村に行くと言っていたはずだが、さては来るなこっちに。しばらくしたら、本当に来た。後輩が僕のブログを直近のものまで読んでいらっしゃる(ありがとうございます...!)とのことで、プレゼントしといてくださいと先輩に日記を買わせる。いくら先輩と同い年だからって、てきちゃん、あんたって人は。というか、社内で僕の日記はどこまで広まっているのだろうか。いよいよ規模感がわからなくなり、少し怖くなってくる。先輩たちは自分たちの好みの本を見るとすぐに「えちえちやん」「性癖に刺さる」と言うので、ここでは表現をちょっと変えてねと釘を刺す。僕もあれこれ本を探して8冊も買っちゃった。勢いが大事。幾何学・地図・哲学・漫画の本を中心に。いつも通りのジャンルになっちゃったかも。


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家に帰って早速読んでいると、ひとはこ本屋ブースで買った古本から謎のメモがはらりと落ちた。

「おれのことどう思ってるか?

だがしなんて、茶道ですね。

甘そ〜う!」

 

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5月3〜4日、ゴロゴロ読書タイム。フジモテキイグチのインスタで読書感想を書いていく(予定)。特に、漫画『don't like this』は「のめりこむ・何でも受け入れる」面白さをほのぼのした日常の中ではっきりと描いていて良かった。

don’t like this (トーチコミックス)

don’t like this (トーチコミックス)

 

 

 

5月5日(火)、お手伝いしに瀬戸へ向かう。乗り換えて栄町駅付近、コメダでモーニングを食べた直後、めまいに襲われる。2日連続でゴロゴロしたとはいえ、ちょっと疲れているか(高校の同級生に会うなど、他にもいろいろあった)。地下から直上の公園に出て、人がいないのを確認してマスクを外し、深呼吸する。

最近、なんとなくめまいのメカニズム・タイミングがわかり始めてきた。

①疲れが蓄積されているとき

②心拍数が高いとき(通常は毎分60回程度)

左腕のスマートウォッチを見ると心拍数が毎分100回を超えている。マスクをすると心拍数が上がるのが困ったところだ。福井県高浜町のフリマの時は、鼻だけマスクの外に出していたのでめまいに遭遇しなかったのかもしれない。都会、そして屋内でたっぷりと呼吸して心拍数を下げることは、このご時世、意外と難しくて困る。

ひとしずくさんに到着して、レジ打ちをする。iPadでレジ打ちもできるんだなあと驚く。金額・冊数入力して袋詰め。「ありがとうございます」か「ありがとうございました」か、意識しないと混ざる。割れた電球の修理とかもやってみる。やってみたら意外となんとかなる。瀬戸のアーティストさんたちと仲良くなっていく。友達の中野くんもやってきてのんびり本の話をする。いい休日。

『ロボ・サピエンス前史』の衝撃から、フェミニズムの本をちゃんと読んだほうがいいぞと思っていた。入門書を2冊購入。いつもと違うチョイス。この本たちの話はおいおいに。

 

めっちゃ動いたけど、意外と制御できているのか、この後にドカンとくるのか、全くわからない。でも、GWは超楽しかったですし、人生超楽しいと素直に思っています。

 

○本・ひとしずくさん

https://twitter.com/sorani_aya?s=09

https://instagram.com/hitoshizuku_books?igshid=198fnpgf5f8n7

 

伸び縮みする時間

就寝前に睡眠薬を飲んでみる。お医者さん曰く、飲んでから30分ほどで効果が現れるらしい。とりあえず布団に入って眠っている。

 

起きたら、朝!!!

 

中途覚醒した覚えがない。入眠から起床までダイレクト、あっという間。こんな睡眠は数年ぶりじゃないか。薬の効き目が残ってぼんやりとした眠気があるが、これは凄いぞ。

 

起きてとりあえず本を読み、『メガテンⅡ』をプレイ。バラバラになった平将門公の身体を集める旅に出るが、各所ですぐ迷子になる。攻略サイト無しでクリアできないですこんなの...

産業医から昼寝禁止令が出されている。僕を苦しめるめまいは自律神経の狂いから発生しているんじゃないかということで、まずは睡眠を整える。とは言っても家にいたら絶対睡魔がやってくる。なので、以前から行きたかった今池の喫茶店「読書珈琲リチル」さんにやってきた。謎めいたビルの2階、ドアを開ければそこは純喫茶。1時間600円ワンドリンク付きで読書し放題。驚異の集中力で読み進めていく。2時間くらい読んで満足満足と思ったら、まだ70分しか経っていないので驚いた。50分得した気分なので、近くの古書店「シマウマ書房」さんを訪れた。大量の岩波写真文庫を発見、『歌舞伎』『能』などを購入。

 

最寄り駅を出て帰り道、めまいに襲われる。ちょっと座る。神出鬼没だ。躁の時にめまいが発生し、鬱の時は治まっていることもあり、産業医も首を傾げている。一生付き合っていかないといけないのだろうか。布団の上でできる仕事ってないかな...

 

文学部お嬢さまことば専攻

最近お嬢さまことばが流行っている。格闘ゲームをたしなむお嬢さまの漫画『ゲーミングお嬢様』も大人気。お嬢さま口調縛り麻雀もあるらしい。英語禁止ボウリングよりも難しそうだ。お嬢さまことばで競い合う時代が来る前に、僕も言語習得しなければならない。

という訳で、古本屋さんで加藤ゑみ子の『お嬢さまことば速修講座』を買ってきた。言語学者が書いた本かと思ったら、なんとインテリアデザイナーの方が書いた本で驚いた。インテリアデザインの立場から生活行為としてのことばづかいについて長年研究しているそうだ。

「美しいことばづかいは美しい生活環境を生み出す。」なるほど、僕も心掛けよう。

少し読んでみたが、ことばづかい以外にも気品のある立ち振る舞いなど、結構お嬢さまにならなくても参考になることがたくさん書いてある。良い本だあ...

 

お嬢さまことば速修講座 改訂版 (加藤ゑみ子の上質な暮らしシリーズ)

お嬢さまことば速修講座 改訂版 (加藤ゑみ子の上質な暮らしシリーズ)

  • 作者:加藤 ゑみ子
  • 発売日: 2017/06/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

しかし、この本は僕にとって恐るべき罠があった。本文が全てお嬢さまことばで書かれている。さすが速修講座、頭にお嬢さまことばを刷り込ませるための罠が随所に仕掛けられている。僕は本を読むときに頭の中で勝手に音読してしまう(日記を書く時も頭の中で音読ながらタイピングする)。お嬢さまことばを1つ1つ音読してしまうのだから、みるみる僕はお嬢さまになってしまう。どうしましょう、会社で不意にお嬢さまことばが出てしまったら。お里が知られてしまいますわ。

 

体調が少し良かったので丸善に行った後少し散歩していたら、向こうから戦国武将のコスプレイヤーの隊列がやってきた。軽く会釈すると、槍を持った人から挨拶された。

 

「こんにちはじゃ。」

「こんにちはじゃ???」

 

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帰宅後、頭の中で「こんにちはじゃ。」が頭の中で駆け巡る。な、なんだその中途半端すぎる言葉は。僕も半端な覚悟でお嬢さまことばを学ぶと、いざお嬢さまことば縛りルールでゲームをしている時、「ぶち殺しますわよ!」などのような中途半端なお嬢さまことばが出てくるかもしれない。この場合、正しい言い方は「お墓の準備はよろしくて?」「辞世の句はお読みになったかしら?」となる。婉曲的な感じが若干京言葉にも似ている、なんて書いたら京都府民にボコボコにされるかもしれない(僕は大阪育ちだが、ほんのりと京言葉の影響を受けている土地柄で「~しはる」を多用したりする。Wikipediaの「大阪弁」を見ても、違和感を覚える方言が実は結構多い。ひとくくりにされがちな近畿方言も細かい点で違いがたくさんある。)。いとも簡単に婉曲的表現を叩き出すお嬢さま街道の道程は長いなと思った。

地下の話

遠路はるばる銀座にやってきた。ここが銀座か。とりあえず地下街でお買い物をしようとするが、だだっ広くて迷子になりそうだ。ドラッグストアを見つけてあれこれ購入。店から出ると方角がよくわからなくなる。どっちから来たっけな。

大阪っ子は地上にいる時、北・東・南に山が見えて西が海の地形だから方角を瞬時に割り出せる。しかし、地下にいるとてんでダメになってしまう。大阪梅田の地下街、通称ウメダンジョンは地元出身の僕でも結構迷子になる。特に、東梅田と西梅田周辺。あの辺りは行くたびに地下街そのものが変わっている気がする。

大学生の時にウメダンジョンを散歩していたら、B1Fのビル間連絡通路とB2Fのディアモール大阪という地下街が立体交差していることに気づいて驚いた。地下街がそんな高度な形状をしているなんて考えたことがなかった。エスカレーターや階段で直に接続しておらず、B1Fの小窓からチラリと下を覗けるだけ。しょっちゅう付近で迷子になっていた理由を理解した。

銀座の地下をテクテク歩いて品川に着いた。近くに大聖堂が見える。大聖堂に入るとこれまたとても広い。あっちこっち散策していると、ハッと今何時?と気になった。スマホを見て正午。あちゃー。『真・女神転生メガテン)』をプレイして銀座や品川のマップで迷子になっていたら知らぬ間に午前が終わっていた。夢から覚めた気分だ。品川大聖堂の4Fに潜む悪魔使いをボコボコにしてからセーブして電源を切った。ここは相変わらず愛知県名古屋市

 

午後はそれなりにちゃんとしましょう。コンビニで原稿を印刷して製本していく。途中ホッチキスの針で負傷し血が付いちゃって1冊ボツになったが、とりあえず4冊完成。うち1冊を梱包してヤマト運輸に持っていく。そのまま散歩して本屋さんへ。気になっていた『Day to Day』と『午后のあくび1・2』を購入。

『午后のあくび』、めちゃめちゃ面白い。超ショートな短編集だけど、作者のふわりとした空想(妄想)が全部輝いている。それらが春夏秋冬の章にまとめられ、季節の移ろいと情景が見事に描かれながらピタッと着地している。一番好きな短編『船の図書館』に出てくる甲板が図書館になった船、高浜町フジモテキでできないかな。

愛蔵版 Day to Day

愛蔵版 Day to Day

  • 発売日: 2021/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
午后のあくび

午后のあくび

 

 

今朝は『Day to Day』を読む。209組の作家・漫画家が2020年4月1日〜7月9日の日本を記録した物語集で、各日の小説・エッセイと漫画の短編が収録されている。コロナ禍の今を綴る・残す、ボリューミーでひしひしと熱量が伝わる本。4月9日まで読んだ。明日からは1日ずつ読む。1年前の作品を同じ歩幅で辿っていくのが楽しみ。

4月4日の吉川トリコの『知らない道を歩く』が良かった。どこか遠くへ行きたいけど、そう気軽に行けるもんでもない。だけど、知らない道を歩いただけで旅の中にいるような高揚感を得られる。わかります〜と共感しながら読んだ。その後の記憶がない。なんだか最近朝ずっと眠たくて布団に潜って、すやぁと記憶を無くす、1月頃のような症状になっている。鬱は状況に関わらず急にやってくるけど、なんだか背後から濡れた手で急に首を触れられるような、ヒヤッとドキッとするような、それに近しい感じがする。要は、「どうとでもなる」。

 

そういえば弟が無事大学生になり、札幌で一人暮らしを始めた。最近両親が札幌に行って家電や生活用品を買ったりしていた。母から連絡が来たが、大阪に負けず劣らずの大都会で驚いたとのことだった。地下街も広くてびっくりだそう。コロナ禍で最近は外出を控えていたので、久々に屋外で楽しい思い出ができたと言っていた。

僕が高校生の時、修学旅行の行き先が北海道で札幌にも行ったけど、確かに大通公園の辺りはとても都会だったのを覚えている。みんなでテレビ塔の前で写真を撮ったね。

 

目が覚めてからSwitchを取り出す。メガテンやるぞ。主人公逮捕・裁判後にぶち込まれたスガモプリズンからの脱獄を画策していたお昼頃、実家から荷物が届く。

 

北海道土産のマルセイバターサンドが入っている!!!大好物!!!

 

一緒に入っていたレトルトのスープカレーも、骨付き鶏がめちゃくちゃデカくて非常に美味!北海道、最高。

 

午後は古書店街に出かける。と言っても現在は2軒しかないらしい。その2軒でビビッとくるような本を探す。

結果、10冊も買ってしまった。両手に紙袋の荷物。安部公房の『第四間氷期』(日本で一番最初の長編SFと言われる)の初版など、魅力的な本だらけで安かったんです...写真集も500円だし...

『JAPAN UNDERGROUND』という地下空間の写真集も買った。また地下の話だ。

 

JAPAN UNDERGROUND

JAPAN UNDERGROUND

  • 発売日: 2000/08/01
  • メディア: 大型本
 

 

時間泥棒

高浜町の皆様からエネルギーを得て帰還した途端、創作意欲が溢れ出る。てきちゃん漂流日記2巻目を作っていいタイミングじゃないかという気がしてくる。本を作ろうと決めてから、本を販売してお渡しするまでの2ヶ月間。

だけど、今手を動かすと絶対あとで疲れるよね、目に見えている。そう感じて2日ほど自分の中で休暇とした。ゆっくりのんびりしよう。そう、ゲーム三昧だ!!

Nintendo Switch Onlineに課金していると、SwitchでスーパーファミコンSFC)の往年のゲームを遊ぶことができる。最近知った。いろんなゲームで遊んでみる(小学生の頃にアホほど遊んだ『モノポリー2』は悲しながら未収録)。

 

スーパーマリオカート』は実家にもあって友達と対戦したこともある。めっちゃ懐かしく感じるけど、今のマリオカートと操作性が全然違うことにびっくり。ハンドルの効きが凄まじすぎてすぐにコースアウトする。コンピューター相手に全く勝てない。こんなんだっけなあ。

 

パズルの『マリオのスーパーピクロス』で遊ぶ。ピクロスは縦と横の数字をヒントに塗り潰すマス目を割り出し、そのとおりに塗り潰していくと、最終的に絵(または文字)が浮かび上がるパズル。夢中になってプレイしていたらいつの間にかレベル10も攻略していた。マス目も最初は5×5だったのに、気づけば25×20になっている。ピクロスのルールを知らなかったのに、クソデカ盤面に対応できるようになった自分の頭の進歩に驚く。数独ナンクロの雑誌を買って毎月懸賞に応募する人の気持ちがわかるかも。

 

一番時間を溶かしたのはRPGの『真・女神転生』。マップ移動の操作に慣れが必要だけどめっっっっっっっっちゃ面白い。レトロでダークな雰囲気がたまらない。僕の生まれる前にこんな面白いゲームがあったなんて(実家にもあったけど、小学生の僕はシステムがさっぱりわからなかった)!

そして、敵と遭遇する確率が非常に高い。強敵に出会うととりあえず逃げるのだが、逃げると後ろに1マス下がってしまう。もう一度1マス進むとまた別の敵と遭遇。敵を倒すと、その瞬間に別の敵が襲いかかってくることもある(最大2回)。そういう訳で、めっっっっっっっっちゃ面白いのにめっっっっっっっっちゃテンポ悪い。キリがいいタイミングがなかなか無く、Switchはどの場面でもセーブできる機能があるのにずっとプレイしてしまう。SFC実機でプレイした人たちも大変だ。セーブ可能な場所に移動するだけで物凄い時間を要する。親にリセットボタンを無理やり押されて努力が水の泡になった少年もたくさんいてそうだ。

2日間ゲームをして、ようやく『真・女神転生』は中盤までやってきた。『真・女神転生Ⅱ』『真・女神転生Ⅲ』も待ち構えている。しかし、休職直後のポケモン三昧引きこもり生活1ヶ月で色々精神がバグった前科がある。ゲームは1日1時間。

 

「フジモテキ」で結構本が売れたので、「本・ひとしずく」さんのひと箱に置かせていただく古本のチョイスに悩む。まずは積ん読になっている本を片っ端から読んでいこうか。そう思って棚から衿沢世衣子の漫画『ベランダは難攻不落のラ・フランス』を持ってきて読み始める。ミヒャエル・エンデの『モモ』も読まなくちゃ。時間を盗まれる話なのに、序盤も序盤、盗まれる直前で積ん読になっている。4月は積ん読解消月間に指定です。

ぐーたら古書店

感情のサイクルの中で自分がどこにいるのか見失ってから約1週間、「無」の顔をしている。どんよりしている。思考が客観的過ぎて目が後方5mにある感じ。鬱ではないが躁でもないような、かといってこれが安定した正解の感情かと言われると絶対に違う。なんかこうじゃないんだよな感が漂う。なんか違う。欲張りすぎているのかもしれない。2週目も暗中模索の日々が続く。

 

でも、やらないといけないことは結構多いので、無理せずこつこつ1つ1つ進めていく。まずは掃除しなければならない。自宅には本棚からはみ出した本の塔が5つも建造されている。これを解体しながら福井県高浜町のフリマ古書店「フジモテキ」に持っていく本を選定する。掃除嫌いの僕も仕方なくいやいや取り組み、42冊を選定する。コンビニでスリップ(値札)を印刷し、店名・値段・ひとことコメントを書いていく。

 

音楽をかけたりYoutube見たりしながら、ぐーたらのんびり値段を付けていく。しかし、1冊だけ値段の付け方がわからない本がある。昔、古本市で2500円くらいで買った『FRESHFRUiTS』という写真集である。

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2000年代初頭の原宿ファッションの写真集なのだが、Amazonで検索しても全くこの本の詳細がヒットしない。中身も前書きに英語で説明文が書いてあるだけで、他は全て写真。実態がよくわからない。謎の本である。しかし、面白いことは間違いなし。V6の『学校へ行こう!』で渋谷ギャル特集(ヤマンバファッションとか)を放送していた記憶はあるけれども、それとは異なる先鋭化したファッションがあるのだと、この本を手にした時に大変驚いた。この本を見ながら各人物のファッションにツッコミを入れる遊びをすると、かなり盛り上がる。気分はドン小西である。たまに、今でもすんなり受け入れられるファッションがあったりするのが面白い。

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値段を付けるためにちゃんと調べてみたところ、どうやら2005年にイギリスで刊行された写真集とのことである。日本ではなかった。今は絶版。

そして、海外のファッション界に衝撃を与えたとんでもない写真集らしい。

 

以下は引用。

日本のファッションといえば「背広&制服かコム・デ・ギャルソン」というイメージだった中で、西洋ファッション史の文脈を完全に無視したデコラの突然変異的な感性は、欧米のアート・ファッション界の人々に衝撃を与えました。

ストリートスナップ誌『FRUiTS』が撮影した原宿KAWAiiカルチャーの源流「デコラ・ファッション」の写真集を作る - クラウドファンディングのMotionGallery (motion-gallery.net)

 

日本のAmazonでは検索でヒットしないので、海外のAmazonで値段を調べてみる。中古で1万円以上!新品で3万円!!!ヤバすぎて手が震える。不思議な写真集を手にしてしまった。

高浜町に持っていくか悩む。売りたくないが、みんなでファッションツッコミ大会がしたい。散々悩んで、値札に1万円と書いた。アホ丸出しである。しかし、これなら本の面白さをみんなに共有しながら自分のもののままにできそうだ。これでいこう。この表紙の本が1万円と知ったらみんなひっくり返るだろう。そんなこんなで42冊全部に記入。

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昨晩に通販サイトのセッティングをしてから、いしいひさいちの漫画『女(わたし)には向かない職業』を読み直す。朝日新聞朝刊の四コマ漫画ののちゃん』にも登場する藤原先生が主人公の漫画。小学校教師をしながら市民セミナーの推理小説講座にも顔を出していた藤原先生が、新人賞を受賞して推理小説家になるというストーリー(漫画のタイトルはP・D・ジェイムズによる推理小説が元ネタ)。藤原先生のだらだら・ケセラセラな感じがたまらない。高浜町に持っていこうと思ったが、今の自分に重なるような感がして、自宅に残しておこうと思った。

 

今日、LOFTで通販で売り上げたリトルプレスを梱包・発送するために、封筒やらテープやらを買う。何から何まで自分でやっている。全く儲からないが、のんびり楽しくやる。

 

湯けむり勉強法

社会人になってから、スーパー銭湯で勉強することが多い。というか、スーパー銭湯じゃないと勉強したくない。ゆっくりお風呂やサウナに入ってのんびりしてから、ふかふかのソファで資格の勉強やら読書をする。酒飲みながら勉強している。朝から晩までいる。うるさい高校生集団やカップルやじっちゃんばっちゃんの視線もなんのその、ノイズキャンセリングイヤホンを付けて没頭する。これが最近流行りのワーケーション(絶対に違う)。

 

この街のスーパー銭湯はだいたい行った。いろんなスーパー銭湯に行くにつれて、スーパー銭湯の見方が進化していく。

 

シャトルバスがある、+50点。

サウナから屋外チェアまでの距離が遠すぎる、−100点。

個室ブースで勉強できる、+100点。

世界のクラフトビールが飲める、+1,000,000,000点(現在断酒中...)。

誰が呼んだか、スーパー銭湯界のダンブルドア。スリザリンには厳しい。

 

久々にサウナに行った。サウナでアツアツを我慢し、水風呂で身体を冷やす。そして外のチェアで目をつむる。風が気持ちいい。

これをだいたい3回繰り返すと、いわゆるサウナトランスと言われる無我の境地がやってくる。ぐるぐるぐるぐると身体が回転しながら吸い込まれる感じ。ぼーっとぐるぐるして、頭に2つ考えが降りてくる。

 

「このぐるぐる、朝のめまいと同じじゃね

?」

「そういえば、あの本を今読むべきじゃね?」

 

その後、気絶するようにグースカ眠った。

 

今朝、いつも通りめまいを抱えて起きる。『U理論』の本には頭がスッキリして雑念が無い有意義な時間なので、起床直後にスマホを見るのは絶対にダメと書いてあった。とりあえず、顔を洗って座布団に座る。

 

瞑想をしてみる。毎朝のめまいはサウナトランスのめまいと同じなのか、検証。目をつむってめまいを見る。

結果、よくわからん。よくわからんけど、心地良かったのは確か。これから続けよう。

 

本棚の奥から、でかい本を取り出す。認定ファシリティマネジャーという資格試験の参考書。ファシリティマネジメントとは、土地、建物、構築物、設備等といった業務用不動産すべて(ファシリティ)を経営にとって最適な状態で保有、運営し、維持するための総合的な管理手法...だそうです。

以前の日記『フラワー・ガーデン』に書いたような、様々な人が関わってアイディアが生まれるような創造的な「場」に関する内容もある。僕が大学で専攻していた建築学に、未知の財務や経営学、管理工学が合体したような内容。この試験を昨年受けようと思ったが、コロナ禍で試験ごと無くなった。今受験して資格とったら後に大きく効いてくるんじゃないの、改めて思う。今年の試験は5月末〜6月初めらしい。テキストは400ページ。いけるやろ、休職中だし。とりあえずさっき図書館に行って50ページ読んだ。スーパー銭湯は高いので今日は図書館で我慢。図書館に温泉が湧かないかな。すっかりスマホ依存症になってしまい、集中力が続かない。財務などの未知のページだともっと読むスピード遅くなるだろうなあ。とりあえずこれは受験するという方向で頑張りましょ。

公式ガイド ファシリティマネジメント

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  • 発売日: 2018/01/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)