米津玄師がわからない。  〜音楽の連続性と場面転換〜

実を言うと、耳がとてつもなく悪い。聴力のことではなく、音声を意味を持った言葉として認識するのが苦手なのである。1対1でお酒を飲んでしゃべる分にはなんとかなるけれども、カクテルパーティー効果が働かず複数人の会議や飲み会になると正直半分ぐらいしか聞き取れていない。そのため、大人数の飲み会では序盤は適当に頷くばかりでだんまりであり、暇なのでどんどん酒が進みへべれけになっていくのである。受験生時代の英語のリスニング試験も相当不利であり、定期テストと模試の結果は毎度散々であった。去年受けたTOEICはなかなかの高得点で嬉しかったのだが、リスニングについては買ってきた過去問の文章を読破して出そうな会話パターンを暗記して、断片的に聞こえた単語と選択肢から勘で答えを命中させていた。このような症状を聴覚情報処理障害と言うらしいが、解明されていないことも多く改善は半ば諦めている。

 

同様に、楽曲の歌詞の意味を何回聴いても理解することが僕には困難である。歌詞にそこまで興味が無いこともあり歌詞カードを読むことも少なく、音楽を構成する要素の中で歌詞の存在が非常に薄い。

 

相対性理論の元素紀行の歌詞

酸素 水素 二酸化炭素

酸素 水素 二酸化炭素

酸素 水素 二酸化炭素

酸素 水素 二酸化単細胞

 

Perfumeのedgeの歌詞

だんだん 好きになる 気になる 好きになる

だんだん 好きになる 気になる 好きになる

だんだん 好きになる 気になる 好きになる

だんだん 好きになる 気になる 好きになる

 

ぐらいの歌詞でないと正直よくわからない。ストレートな歌詞なんてもっての他で、メロの歌詞の意味がわからないままサビに突入し、背景がわからないままクソデカパッションを押し付けられてしまうのでそういう曲は基本嫌いである。ドルガバの前に何が起こったのかわからないのである。

そういう訳で、

①抽象的でリズムの良いシンプルな言葉(でないともやもやする)

②全体を通して大きな変化のない淡々とした曲調(連続性・ループ感があると歌詞の認識がまだ楽になる)

上記の性質を持った曲が昔から大好きである。capsulePerfume世代であり勉強中にメドレーやDJ MIXを聴きまくっていた僕にとっては、曲を繋ぐ・混ぜるといったところに変化を求め、曲の内部では変化を必要としなかったのである。変化したとしても終わりのサビに向けて盛り上げるための1回でちょうどいいのである。

 

それらと比較して、米津玄師やKing Gnuなどの現在流行の先端にいるアーティストの曲がなんだかよくわからない。全ての曲がそうではないのだろうけど、コード進行とか理論的な話はよくわからないのだけれど、僕にとって1曲の間で何回も転換する、1曲の中にミュージカル1公演を入れたように思ってしまう。歌詞が全くわかってないために、どのような心理的描写が曲調の転換に投影されているのかわからず置いてけぼりになってしまう。LINE MUSICなどで歌詞を確認できるが体力を使う。というか最近1曲に占める歌詞の密度バカ高い曲多くないか???そうして僕はいつのまにか流行の前線から逸れてしまった。サビで急に早口になったらlemonだ確か。しかし早口になると脳が余計ついていけないのです僕は...でも食わず嫌いもいけないような気がするので、僕に向いてそうな曲があればご教示願います。

そういえばYOASOBIの群青も冒頭にいきなりコーラスぶっこむ癖に好きなので不可解である(逆にサカナクションのナイトフィッシングイズグッドはそれほど好きじゃない)。好みに基本はあれど例外が多々あるので面白いと思う。そろそろ2020年のベスト10を決めねば。

 

【いろいろな音楽】

①フレイバー / marino

サビ直前とサビの歌詞が実は同じである。曲調に大きな変化を付けずに、でもサビらしさを出すのは地味だけど凄いことじゃないかと思う。中田ヤスタカプロデュース。

 

②Chase the Light! / Fear, and Loathing in Las Vegas

某動画サイトで「神の1番、ゴミの2番」とコメントが付けられてて昔爆笑した。1番メロが強すぎてもはやサビ。コロコロ曲調が変わるがどうやって作曲してるんだこの人たちと毎度思う。

 

③人間関係地獄絵図 / 転校生

歌詞がわからない為に曲調と歌詞はシンクロすると思い込んでいる僕にとって、ポップに暗い内容を歌うのはもはや魔球である。でもそのギャップが良いんです(ちゃんと歌詞カードを読んだ)。公式tumblrに公開されている「あそぼう」という曲も良いです。

 

④edge / Perfume

上戸彩出演のコスメCMソングで中学時代に衝撃を受ける。言葉の語感と淡々としたクールな連続性が魅力的。(アルバム収録の⊿-mixよりもシングル版のほうがより淡々としている)

 

⑤群青 / YOASOBI

冒頭の唐突すぎるコーラスに「何で!?」となるけど、ラストで「ええやないですの」となる不思議な曲。今年一番聴いた曲だが実はこれ以外の曲を知らない。てきちゃんちゃんと聴きなさいとコメントが来そう。