西伊豆逃亡記 最終日

翌朝、早めにチェックアウトした僕は花時計と再び対峙していた。健康になりたいその一心で冷たい遊歩道に裸足になって挑む。超痛い。石の鋭いエッジが足裏を的確に苦しめていく。思わずギョエッと声が出る。諦めそうになりつつなんとか1周した。修験者になったような気分である。すると近くに、昨日は暗くてよく見えなかったが足湯を見つけた。もう足つぼなんてこりごりだ、足湯に浸かりながらそう思った。その後、海岸をとことこ歩いて土肥港へ向かった。

土肥港からフェリーで駿河湾を横断し、静岡市に近い清水港に行くことができる。めまい持ちなので大丈夫かなと不安だったが、元々フラフラなのでフェリーに乗っても大して変わらずホッとした。朝ごはんを港近くのコンビニで買って食べたのだが、船内の食事ブースにあるネギ塩たこ焼きが気になるので食べてしまった。絶品だったがちょっと気持ち悪くなった。

清水港から静岡市に向かいさわやかのハンバーグを食べた。2時間の待ち時間は読書に費やし、ついにげんこつハンバーグを注文。さわやかに来たのは2回目だけど肉汁溢れミディアムレアで絶品びっくり仰天、満腹大満足である。

そして電車でゆらゆら浜松へ向かい浜松餃子をペロリと15個平らげた!

 

脳裏に浮かぶOさんの鋭い視線。

「暴飲暴食は許しませんよ。日頃の行いが身体に現れるのですよ理解していますか。」

「ああ、お許しください今日限りですお許しください。」

そう懺悔しながら満腹の僕は新幹線で自宅へ運ばれた。結局めまいは治らずOさんへの懺悔が深まるばかりだったが、いい気分転換にはなった逃避行である。