スイートスポット

1週間ほど前、「ON READING」さんに遊びに行く。できたてほやほやのリトルプレス2巻をお渡しする。本の大量印刷の話題になり、紙の質感・重量を気にしたほうがいいよとアドバイスいただく。黒田さんと店内の本をあれこれ持ってみるが、同じ厚みの本でもずっしり感が全然違うので驚く。知らないことばかり。「強度があるし売れると思うから200、300冊刷ったら?」と仰っていたが、どうしても家に在庫がある状況が精神衛生上よろしくないように思えてしまい、100冊程度に止めようと考えている。面白さより辛さが上回ったらおしまいな気がする。

 

家に帰って怒涛の校正作業をこなす。段落行頭1字下げ、英数字の向きの調節、誤字脱字のチェック、縦書きにふさわしくない表現の修正、いろいろやる。約280ページのボリューム、さすがに気が狂いそうになる。社会は分業によって発達したと誰かが言っていたが、分業のありがたみをしみじみと体感する。一通り直したが、自分で気づいていないミスが多分にありそうで不安になる。友人が校正作業が好きとのことで、本文データを渡してお願いする。ダブルチェックでなんとかなるでしょう。

 

次に、Excelを開いて印刷会社リストを作成する。価格と付けられるオプションを比較できるようにする。Twitterで「同人誌 小説 印刷」などと検索し、出てきたおすすめ印刷会社を片っ端から調べる。候補を10社に絞り込む。50部、100部、300部印刷した場合の印刷価格と1冊あたりの単価を表にしていく。小部数でも価格は安いが、部数が増えても単価がそこまで下がらない企業がある。一方で、小部数だと高額だが、部数が増えると急激に単価が下がる企業など、いろいろある。

希望販売価格も自分で決めて入力する。本屋での委託販売なら7掛け(販売価格の7割が制作側に入る)くらいになるらしい。

さらに、それぞれの企業・部数のパターンにおいて、印刷費用を取り返せる売上部数を計算する。カバーを付けるなどのオプションを考慮すると、50部の印刷だと大赤字になることが判明する。100部もかなりキツい。とはいえ300部も家に在庫がある状況も絶対に嫌だ。どうしたものか。

印刷会社が決まらないと、用いる紙が決められない。紙が決まらないと、背幅が決まらないので、いつまでも表紙・カバーのデザインが決まらない。完全に詰みである。

朝飲んでいたリーマスを夕食後の投与に変えて体調が急変したこともあり、この頃からド鬱になる。「自分にはどうせ無理...無能...無駄...」と寝込み始める。河原で拾った石を集めて売れない漫画家が石屋を始めるつげ義春の漫画「無能の人」を思い出す。どうしようもない人生...

現実を見てド鬱になってしまうのだから働ける気がしなくなってくる。マンションの前に脱水症状の石油王がなぜいないのか。すぐさまポカリスエット片手に救助するのに。そして僕に金塊をちょうだい。子供の頃から叶えたい夢がある。ひんやりしたアザラシを枕にして昼寝したい。だから北極圏に行きたい。

 

それでもExcelと向き合い続け、どうやら表紙もカバーもカラー印刷だから価格が高いことに気づく。表紙をモノクロにすると、単価が下がり、絶妙な感じになった。お願いする印刷会社を決める。損益分岐点を見た感じ、持続的であるように思われる。紙の種類も1つ1つ調べて決めていく。厚みはあるが軽くて触り心地が良いと噂の紙にする。クリーム色なので目に優しいらしい。これにて背幅も確定する。

 

今日はコメダで表紙とカバーのデザインを手描きで考える。著者、編集者、デザイナー、経理を1人でやっている。毎回コミケで同人誌を売っている方々のヤバさを思い知る。もはやビジネス、起業である。次に待ち構えているのは流通、わからないことだらけ...

 

【残っていること】

○表紙・カバーデザイン制作

○本文修正(2回目)

○目次を作る

○まえがき・あとがきを書く

○一番後ろのプロフィール欄とか書く

 

とりあえずゴールは見えてきた...