家宅捜索

気づいたらオリンピックが始まっていた。開会式を見たいが、家にテレビが無い。スマホで見れるらしいが、面倒くさいので代わりにフジモテキイグチのSpotifyプレイリストを作成する。尼崎の古本市で音楽を流してよいと運営さんから許可が出た。30曲でぴったり2時間。屋外で流すのでシャリシャリキーンな曲は避けて、ほのぼのした曲を集める。ロックにダンスミュージックと徐々に曲調を変えつつ、ループしても違和感が無いようにする。曲を合体させて色相環を作るイメージ。できあがったものがこちら。

 


午後のほのぼの読書 - playlist by ゲリラ古書店フジモテキイグチ | Spotify

 

2年前の夏頃の僕は、オリンピックでスケボーを見てみたいなと思っていた。いざオリンピックが始まってスケボーが話題になると、ますます気になってくる。コロナが落ち着いたら大会を見に行こう。でも、どんな服装で見に行くのが正解だろう。いつもの地味ファッションじゃダメ...?

 

 

キャリーケースに本を詰め込んで、近鉄特急に乗って西へ向かう。電車の中で中島らもの『西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退』を読む。高松で手に入れた本。そして、実家の本棚にあった本。

 

僕にとって、昔から父親が謎の人物である。別にスパイや探偵をしている訳ではなく、たぶん普通の人である。そうはいっても、不思議だと思うことがいろいろある。皆さんもそんなものなのだろうか。無口ではないけどべらべら喋るタイプでもなく、背中で語るタイプに近いので直接聞くのもなんだか憚られる。特に、幼少期に変だと思ったのが、家に大きな本棚があること。父が本を読んでいる姿を見たことがないのに。

父の不思議な生態を暴くために、両親が買い物に出て留守番している間にこっそり本棚の本を読んだ。本に傷が付くのが嫌で、当時ちびっ子の僕が読むのを父はためらっていた。特に、銀河英雄伝説は読むなとお触れ書きが出る。おそらく、あの全巻は一家の秘宝である。

仕方がないので別の本を手に取る。それが『西方冗土』と『中島らものたまらん人々』だった。父が20代の頃に読んだ本らしい。ページを開けてみるとどちらも抱腹絶倒の書で、ケラケラ笑いながらもますます父親の正体がよくわからなくなってしまった。こんな本を読んでいたんだ。他に見つけたのは星新一ショートショートなど。

その読書体験のせいか、夏休みの読書感想文や修学旅行の感想文、あのねノートを真面目に書かなくなった。どうやって面白く書くかばかり考えていた気がする。そして、それが今書いている日記にも響いているように思う。今『西方冗土』を読み直して、ますますそんな気がしてくる。すんなりと水のように文章が頭に浸透していく。

ちなみに、コロナ禍によって父はテレワークとなり家で仕事をしている。その光景をちらりと見るとどうもスパイではなさそうである。安心。

 

大阪府豊中市の本屋「犬と街灯」さんに漂流日記をお渡しする。てきちゃん警部の家宅捜索をもってしても父の正体はよくわからなかったが、全く異なる形で突発的に生じたアウトプットが店頭に並ぶ。

漂流日記の感想を聞くと、引用した本や音楽の持ち出し方がスムーズと好評らしい。しかし、最近は日記を作るために、自分の文章とにらめっこする生活で本をあまり読んでいなかった。かろうじて読んだ本も、フジモテキイグチのインスタで紹介するばかり。そうこうして、ここ最近の日記には読書の話が出てこなかったかも。今、わりかし暇になり、手元には膨大な積ん読。8月を読書月間に制定 。日記にも読書の話は時々書いちゃおう。