恒温動物の変温

ついにてきちゃん邸にもワクチン接種券が届く。予約せねばならんな。Twitterを見ると、接種した友人たちが結構苦しんでいるので、自分の番はまだかとドキドキしながらバンジージャンプの順番を待っているような気分になる。まあ、打つんだけどさ。だけど、めっちゃ発熱したら嫌だな。ポカリとレトルト食品と冷えピタを買ってこよう。他、買って損しないものがあるかチェックだ。

でも、予約の混雑具合などよくわかってないけど、9月中に2回打つんだろうか。フジモテキイグチとかもあるしスケジュールが少し不安だ。そう思って、グループLINEで発熱したらすまんと予め侘びておく。

 

 

4s4kiの『35.5』という曲に、ここ数日心を奪われている(サウンド・プロデュースは、Masayoshi Iimori)。かれこれ100回くらい聴いている気がする。

 

【歌詞の引用】

35.5 平熱35.5 熱出る36.5
夢に出てくるデイビッド
蛇の刺青とペンダント ライオット
幻想 君は幻想

 

歌詞を見て「平熱低すぎない?」と思った。熱出て36.5。僕は平熱37.0、熱出て38.0。しかし、抱える冷え性。熱しやすく冷めやすい、僕の前世はフライパンかもしれない。

それにしても、この曲は本当に良いと心から思う。もちろん他の歌詞も存在するのだけど、上記の歌詞のブロックが随所で現れる。結果として9回も繰り返される。そして、そのブロックは歌声の音程、ベースの有無・パターンなどによって、静かに始まる歌いだしとなり、メロにもなり、サビのようにもなり、ラスサビにもなる。図と地が反転する感じ。以前読んだ甲野酉さんのマンガ『未踏』において、コマとコマの間の空白に登場人物が徐々に現れて、空白がついにはコマになる表現があったけど、あんな感じ?

同じ歌詞を繰り返してメロやサビの垣根を溶かしていく永続性・ループ性と、その中でラスサビへの展開を構築するストーリー性を両立している。地味に凄いことをしていると思う。

こうなると、MV(ミュージック・ビデオ)の方も気になってくる。執拗にループしながら展開を構築した映像なんてできるのだろうか。と思ってYoutubeを見た。曲を作る方も大概だが、映像を作る方もクレイジーだった。


4s4ki - 35.5(Official Music Video) - YouTube

 

4s4kiと不思議な仲間たちが部屋でどんちゃん騒ぎする。やがて誰もいない深夜の街へ繰り出していく。その間に4s4kiが廊下や階段で歌うシーンが挟まれて、ある程度の持続感を出しつつ、寸断することなくストーリーが進んでいく。部屋に戻って眠る描写とともにラスサビが近づいていく。

 

ラスサビ。朝の屋上で虚ろな目でアイスを食べる。一番盛り上がるジェットコースターの頂上で、彼らは静かにアイスを食べていた。音楽の盛り上がりに合わせて視覚的に派手にするのではなく、情(エモさ)への訴え方に監督は重きを置いたように見える。どんちゃん騒ぎやバンドの深夜練の後の静かな翌朝は何故かエモい。みんなが持っているような経験と重なって、仮面ライダーのお面を付けた人が暴れたりと最初は奇天烈に感じたストーリーが、その情のギミックによって共感へと繋がっていく。聴覚と視覚の温度感は反比例していて、聴覚と情が比例するようにできている。そして、最後にもう一度部屋でどんちゃん騒ぎしている姿を映すことで、その騒ぎやエモさが彼らの日常そのものであるような永続的なものを感じる。結果として永続性とストーリー性を両立している。とんでもない構造をしている。

普通だったら頂上でどんちゃん騒ぎのシーンを映すと思うんだよな。映像を作る人の思考回路はどうなっているんだろうか。

 

そんなことを毎度のことながら毛布に潜って考えていた。そういえば、MV学概論、更新するのを半年くらい忘れていた。一応、100曲以上のMVを選んでプレイリストは出来上がっている。そろそろやるか。そして、全部紹介したら冊子にして来年のZINEのイベントで出展してみようかな。