命名権

用事があって繁華街へやってきた。雨の降る中、居酒屋が連なっている通りを歩く。ふと、丸い看板を目にして立ち止まる。

 

「東京おでんラブストーリー」

 

そう書いていた。鈴木保奈美織田裕二、おでん食ってたっけなあ。その字は軽やかな書体で控えめな大きさ、「90年代の月9ドラマですが何か?」といった面構えをしている。騙されないぞ。

 

そう思いながらほんの少し進んで、現れた看板を見てまた立ち止まる。

 

「肉炙り寿司 肉星と寿司姫」

 

強烈すぎて、何が正解なのかわからなくなってきた。夢でも見ているんじゃないかという気がして不安になる。寿司姫って誰だ。いや、肉星も誰だ。最近、変な名前の高級食パン屋さんが至る所で開店している。その系統がおでんや肉寿司にも流れてきているのだろうか。その名前は一体誰が考えたのだろう。

 

そういえば、ON READINGの黒田さんに以前、それぞれの日記にタイトルが付いていることを不思議がられた。はてなブログに投稿しているのでタイトルが必要になる訳だが、僕はいつもタイトルを適当に決めている。後で、「これは漢字2文字なので仮面ライダークウガ型」、「これはカタカナでそれっぽいので交響詩篇エウレカセブン型」とこれまた雑に類型化している。考えるのがめんどくさかったら、だいたい仮面ライダークウガ型になる。オダギリジョー、すまない。

 

買い物や用事を済ませて帰る途中、閉店した店の看板が取り替えられるところを見た。ぼーっと見ていた。なんだか、早く寿司姫にお会いしなければならないような危機感がよぎった。俺が行くまでは頼むぞ肉星。