意識の低い登山(0)

めまいでぶっ倒れて救急搬送・入院してからだいたい1年が経つ。あれからめまいは続いているが歩けない訳ではなく、めまいが起きる現実に落ち込むことも減り、それなりに日々を過ごしている。

 

先週はずっと雨が降っていた。低気圧で体調は少し悪くなったが、メンタルはそれほど落ち込まなかった。少しずつ成長しているのではないかと思う。今日は曇りで日差しが強くない。いつかしたいなと思っていたことを、今日はしてみよう。山に登ろう、そう決めた。

 

小さい頃はもっとアウトドア派な人だった。夏休み前に学校で配られる青少年キャンプのチラシを見て、気になるコースに申し込んで、知らない子どもたちと一緒にバスに乗ってキャンプに行った。高知の室戸で防波堤から海に飛び込んだり、標高3,000mを超える富山の立山に登ったり、いろいろ貴重な経験をした。自然の風景が好きだった。

 

病気のこともあって、今は超インドア人間になってしまった。でも、外に出て身体を動かさないと健康になれないような気がしている。でも、虫が大の苦手なので、虫のいない山に登りたい。でも、そんな高山に登ったら酸素が薄くて倒れるのではないか。そもそも車を持っていないから、遠くへ行けないし。悲しいかな、少年から大人になって、「でも」を繰り返すでもでも人間になってしまった。それでもあれこれ考えてみて、とりあえず身の丈にあった楽な登山をしようと考えた。登るのは名古屋市内に点在する山々。Wikipediaで調べてみると想像していたよりも山がある。いつかは登ってみよう、そう思っていた。

 

今日がそれを始めるタイミングだ。そぞろ神に取り憑かれ、三里に灸を据えて、リュックを背負って、ランニングシューズを履いた。

「月日は百代の過客にして」の後が全く思い出せないまま、玄関の扉を開けて飛び出した。