紙面都市から見える月

6月頃にフリーペーパーを作ろうといぐっちゃんが提案する。印刷して街中にばら撒こう。調べてみたら、大阪中津のフリーペーパー専門店「はっち」さんでフリーペーパーオブザイヤーが9月から開催されるらしい。物事を始めるには目標は大切だ。出展してゲリラ古書店フジモテキイグチの名を轟かせよう。

 

とりあえず、8月末に完成させて9月からはっちさんに置かせてもらおうというスケジュール感で計画を立てる。

タイトルをみんなで考える。みんな大学の同じ研究室で都市の様々な側面を考えていたから、紙面上に都市(私達の世界観・バックグラウンド)を展開させようということで「紙面都市ネオゲリラ」になる。高知県四万十市姉妹都市になるのも目標である。

 

コンセプトは決まったようなものなのでコンテンツを決める。特集コーナーと連載コーナーを設けることで決定。特集コーナーはお題に合わせて各々文章を書いてくる。連載コーナーは各々やりたい放題のことをする。

僕の連載コーナーでは大学生の頃にしていた空中写真の収集をやり直すことにした。

https://www.instagram.com/birdviewstructure/?hl=ja

 

いぐっちゃんから相談が入る。藤本店長が原稿の締切に間に合う訳がないので、てきちゃんがスケジュールをコントロールしてくださいと。井口編集長がガツンとしばいたらええやないですかと言ってみると、一応藤本さんは先輩なので怒りにくいとのこと。俺かて一応後輩なんじゃが...しばらく考えて名案を思いつく。

Excelでスケジュール管理表を作ったが、1週間ほど早回しになった表を藤本さんに共有する。僕といぐっちゃんは通常の表を見て進める。これで、1週間ほどの余裕ができるはずだ。

 

こうして、ページレイアウトやら構成なども練りつつ執筆していく。僕のパートは8月上旬くらいに完成したので、みんなの文章を校正したり、印刷屋さんを調べたりする。

 

いぐっちゃんから表紙のタイトルロゴが送られてくる。開いた本から煙とともに街並みや夜空が浮かび上がっている。魔法のランプみたいになっていて、テンションが上がる。さっすが編集長。LINEでやり取りし、時にはWeb会議を開いて議論する。

 

それから時間は経った。まだ完成していない。今日は8月32日だ。明日は8月33日だし、明後日は8月34日だもん。

西向く侍小の月という言葉があるけれど、紙面都市から見える八月の月は「31」の数値を超越した大きさなのです。大きくできるのです、紙面上の想像で。