さよならギャラクシー号

涼しい季節になったので、散歩がてら久々にスーパーへ行く。マイペースに自炊して美味しいものを食べよう。大好きな餃子や納豆を買いつつ精肉コーナーにやってきた。

並んだお肉を見て、何を食べようか考える。じっと眺めていると、鶏のぼんじりがボリューミーで意外と安いことに気づく。焼き鳥屋のメニューでよく見るが、家で食べたことはない。今日は焼き鳥丼にしよう、そう決めてスタコラとレジへ向かった。

 

家に帰ってのんきにお昼寝しようと布団に潜り込めば、外からコンコンコンと一定のリズムで工事の音が聞こえてくる。コンコンコン、コンコンコン。頭から離れずなかなか眠れない。寝返りを打ち、あれこれ考える。ふと、ぼんじりとは一体何なのか気になった。

左側にニワトリ、右側にぼんじりを思い浮かべる。コンコンコンとリズム良く、左側のニワトリは小さくバラバラになりながら右側のぼんじりへ近づいていく。ぼんじりのさらに右側へ視線が移り、なんだか嫌な予感がする。ぼんじりを調理可能にするための面倒な下処理が待ち受けているのではないか。

そう気づいて、急いでネットで検索する。ぼんじりは鶏肉の中でもかなり脂っぽい部位らしい。そして、黄色い油壺という部分と中骨を取り除く必要があるようだ。冷蔵庫を開けてぼんじりを確認すると、どこからどう見ても油壺という感じの奴がいる。解体作業途中だったのか騙された。とりあえず毛布にくるまって、一眠りして逃避行。

 

目覚めて渋々包丁を握る。100円ショップで買った謎の包丁。側面にGALAXYと書かれている。何を以てGALAXYなのか皆目見当もつかない。いざ下処理に挑むが、我が家に来て3年目のギャラクシー号、すこぶる鈍い切れ味。何回もカットラインをなぞる。その上、油壺を切ってしまうと独特の臭みが出るという。汗をかきながら目を凝らして慎重に解体作業を繰り返す。20個くらいあったぼんじりの下処理を終えると、可食部がまな板の隅に縮こまっている。スーパーで出会った時はワクワクするほど大きかったのに、今はもう見る影もない。

 

焼き鳥丼にして食べる。脂の旨味と臭みが紙一重であるように感じ、舌の上で転がしながらしかめっ面で、素直に「おいしい!」と笑顔になれずもどかしかった。

ちなみに、砂肝も買ってきたけれどやはり下処理が必要らしい。ギャラクシー号はもうご老体である。我々は新造船を要している。