日本日記学会(2)

前回は日記を書くところまで述べました。その続きから。

https://labotekichan.hatenablog.com/entry/2021/09/04/103958

 

4.全体を俯瞰して編集するf:id:labotekichan:20211002094917j:image

日記を書き続けていき、キリのいいところまでやってきました。そろそろ編集しなきゃという頃合いですね。つまりは、スムーズに繋がるように整えながら個々の日記を束ねる。

束ねた結果、日記の集合体は上のイラストのようなストラクチャーになります。機械学習ニューラルネットワークみたいな感じ? 始点から発散し、終点へ収束する。始点から終点へ一本の軸を持たせる。広がりを持たせつつ、とっちらからないように。読者の想像の余地を残しつつ、誤読が発生しないように。

そのために、まずは読み直して、全体を俯瞰してストラクチャーを把握する。それから、関連が薄く全体から浮いた日記を省く。言い回し・表現を調節したり補うように追記して、強弱をつけながら日記間の橋渡しをしたり。そうして、繋がりがより明瞭になるように整える。

 

そして最後に始点と終点、要はまえがきとあとがきを書き残す。特にあとがきはジリジリと汗をかきながら何回も書き直していました。大変。

ただ、ストラクチャーを構築する作業を進めると、パズルがカチャリと解けたような瞬間が訪れます。それは就活のES(エントリーシート)、小論文、クラファンのプロジェクト説明文、全ての文章にその瞬間は存在するように思います。カチャリと解けたら、その文章はよっぽど難解な表現をしていない限り、他人から見ても解けている、伝わっているのではないかと思います。ストラクチャーがしっかりしていれば、カチャリと言語化できていれば他人に口頭で説明する際も非常に楽になるので、妥協せずに良かったなと思っています。

まあ、今回は厳しい締切を設定せずにのんびり書いたからこそできたんじゃないかと思っています。それでも、Indesignの仕様に慣れなかったりして、なかなか骨の折れる工程でした。次回はもう少し肩の力を抜いて健康的に、それが目標です。

 

5.表紙・カバーのデザインf:id:labotekichan:20211002103100j:image

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実は、絵がめちゃくちゃ下手です。棒人間しか描けません。なので、まずはできないことを書き出すことで、逆に何ができるかを洗い出しました。

そもそも絵が描けない。帯をつける金がない。でも、どうせ作るなら平置きしたくなるようなデザインにしたい、目立ちたい。だけど、素人くさくなりたくない。病気を知らない方にも手に取ってほしい。でも、病気のことを前面に出すと手に取らないだろう......そうそう、バーコードは付けない。電子書籍も作らないだろう。だから、実体を持った本だからこその造形を楽しみたい。

 

気の済むまで書き出したら、材料探しの旅に出かけます。スケッチブックをパラパラとめくると、以前に描いた感情の波を示したグラフを発見する。そこから、カバー全体で巨大なグラフを作ることを思いつく。カバーの表面だけでは病気のことを悟られないように、でも、カバー全体はこの本の内容を明示しているように。黒色と白色の対比でそれなりに目立つように。

そうと決まれば、ざっくりとラフに描いてみます。それを繰り返してブラッシュアップしていく。絵が描けないのでピクトグラムのように表現したり、ごまかしながら与条件をクリアしつつ、自分のしたいようにする。

カバーを外すと現れる表紙はボーナストラックのようなものなので、あまり気張らずに作ればいいやと決めました。結果、スケッチブックに描いていたマインドマップを描くことにしました。

こうしてブラッシュアップを重ねていくと、ここでもやはり本文・表紙・カバーのパズルが解けたような感触がします。複雑な立体が繋がって、造形の中でハマった感じがすればしめたもの。しかし、なかなかそう上手くいかないのが困ったところ。いぐっちゃんにデザインの相談をしていたが、LINEで一日に何回も案が送られてきてびっくりしたと後日言っており、おそらく躁状態だったのだろうと考えられます。アイディアがぽんぽん浮かぶが、心配なのでとりあえずLINEで送りつける状態。次回は気をつけます......

 

学生時代から、デザインを考える時にはまずMV(ミュージック・ビデオ)やCDジャケットを眺めることが多いです。ちなみに、今回のデザインに多大な影響を与えたのはSUPERCAR『YUMEGIWA LAST BOY』のMV。座標空間から雪原の風景が立ち現れるシーンを見ては、どうやってカバーの平面から物語の奥行きを出すかを考えていました。


Yumegiwa Last Boy - Supercar (スーパーカー) PV - YouTube

 

6.販売交渉

印刷屋さんを十数社調べて、金額・オプション加工などを比較してオーダーします。

そうして、ついに書店さんへ委託販売の交渉をしました。まずはTwitterで「リトルプレス」「個人出版」などと検索し、ヒットした書店さんのホームページを見る。店舗コンセプトやオンラインストアの品揃えをチェックし、Excelでリストを作る。都市圏だけでなく地方の書店さんも満遍なく探す。結局、Excelのリストは90店舗くらいになりました。バーコードの無い本を取り扱っている書店さんは意外と多いです。このリストから8店舗ほど選んでメールを送る。書店さんとやり取りして、電子データやサンプルをお送りする。取り扱いが決まれば段ボールに梱包してえっさほっさと郵便局へ運ぶ。依頼文の定型を作っていましたが、もうちょっと書店さんの特性に応じてカスタマイズしても良かったなと思います。

この直取引のやり取りには、社会復帰へのリハビリ的側面がありました。緊張しながらメールを送ったけれど、皆さん優しく意外となんとかなる。なんとかなる環境だったのが新参者の僕にとって非常にありがたいことでした。