てきちゃん嘘つき日記

嘘偽りは一切書いていない。だけど、書くかどうか悩んで、結局書かなかったことは多々ある。

例えば、9月の緊急事態宣言下、名古屋から本をわんさか運んで関西の古本市に出たこととか。その楽しげな様子や思いがけない出会いを書き残す気にならなかった。スマホを持って文字を打とうとしても気が乗らない。どこかしら心のどこかに罪悪感があると同時に、自分自身の気の緩みを晒すことから逃げているように思う。2月の緊急事態宣言の中で高山旅行をした時は何事も包み隠さずに記録しようと言っていたのに、すっかりこのザマである。その変化が日記だといえばそうかもしれないが、いやそれでもと悩んだりする。書かないことで虚像を作っているような、嘘よりもたちの悪いような気になったりする。

 

最近、漂流日記2巻目の制作に着手した。ブログの文章をWordにコピペして、まずはザッと全体を眺めてみる。どうも、9月の古本市の記述が無いために感情の推移を示す上で飛躍しているように思う。どう補って推移を滑らかに示そうか。ちゃんと記録しときゃよかったと後悔するし、書かずに隠して正解かもしれないとも思うし、でも今書いているこの日記で結局自首しているし。構造を失ってどろどろになっている。はっきりと位置づけられるようになったら、意味を見出したら改めて書くのだろうな。

 

 

突然に空気が澄みわたるように冷えて、陽のあたる時間も短くなってきた。冷たい季節がやってくる。僕の諸症状が季節性のものだったら。それを今一番恐れている。睡眠が徐々に崩れ始め、昼寝をし、選挙カーの音で起き、早く沈んでいく西日を見て少し怖くなる。貯金はとうとう休職前の半分くらいになった。傷病手当金が切れるのは来年3月。果たして僕のサバイバル生活はどう転ぶのか。そればっかり言っている気がするが、気にしない気にしない。

 

今週末から3週連続でゲリラ古書店フジモテキイグチは各地で出店する。

10/24、11/7に出店するのは名古屋市円頓寺商店街一箱古本市イベント「円頓寺 本のさんぽみち」。ボランティアと出店者の二刀流。2年前にボランティアとして参加して、ジュンク堂書店と図書館しか行ったことのない当時の僕に古本の世界を見せてくれた思い入れのあるイベント。

10/30は福井県高浜町のUSFES。4月のUSFESが書籍版漂流日記のラストの舞台だった。半年ぶりに帰る。

この3週間の記録を、病気と制作と交流を中心に記録した2巻目の結末にしようと思う。ちゃんと書き残そう。そこから先は、頑張れてきちゃん勤労日記になるのだろうか。

 

最近、フジモテキイグチの活動が広がっていき、他の古本市にお誘いいただくことも多くなった。僕自身も無名へっぽこながらも日記本制作者としてイベントにお誘いいただいて打ち合わせしたりする。

先日、本のさんぽみちのボランティア説明会で、私設図書館のオープンを目指している方にお会いした。意気投合して、イベントの打ち合わせに僕も来週参加することになった。とはいっても、行ったことのない街なのでまずは周辺を歩いてみなきゃ。

そうかと思えば、説明会後に漂流日記の大ファンの方にお声をかけていただいた。以前より熱烈なファンがいらっしゃると噂だけ聞いており一体誰だろうと長らく思っていたが、ここでお会いするとはと驚く。めっちゃ目を輝かせて話されており、そのキラキラっぷりに眩しくなる。彼女の所属する研究室内で漂流日記の貸し借りが行われているらしく、マジで!?と声が出る。薬学専攻の方だそうで、薬理作用と患者の感覚・思考の記録として興味深い内容と仰っていた。なるほど。たまたま制作用のスケッチブックを持っていたので、お見せながら表紙やカバーのデザインの話をしたりした。

 

なんだか不思議なことばかり起きている。何が起きているのかよくわからないけど、このまま楽しく暮らせないかなとぼんやり思ったりする。とにかく、2巻目のラストスパートめがけて駆け抜ける。