ルネサンス

困ったことがある。

土日でも仕事のことを考えたがる癖がある。ペンと紙と頭があれば、仕事のことを考えたがる。ペンと紙と頭を封殺し、その上で実生活とはかけ離れた趣味が欲しい。

という訳で、ジュンク堂で松坂和夫の『数学読本』と大学ノート、シャーペンを買ってきた。そして、部屋の片隅に机を置いて、暇な時に考えを巡らせてはペンを走らせる。

 

ルネサンスでたのしい算数

実数虚数があばれだす

 

そうふにゃふにゃ歌いながら解いていく。眠たげな午後のようなイントロのギターのディレイ、サビのコーラスが好き。かれこれ10年以上、数学といえばこの曲を思い出す。他にはレトロな少女の『さんすうのこたえ』。

別解を思いついた時のゾクゾク感、これはたまらない。受験数学は苦痛であったが、あまり時間を考えずにやる数学は癒やしかもしれないと思い始める。一方で、どうしてそうなのるのだろうと思うこともある。自分で証明してみたいが後回し、該当ページだけメモって先へと進む。実家から卓上ライトを拝借して、薄暗かった机上を照らす。

 

「しかし、数学というのは闇を照らす光なのであって、白昼にはいらないのですが、こういう世相には大いに必要となるのです。闇夜であればあるほど必要なのです。」

岡潔は述べている。僕ごときが闇夜を照らせるかはさておき、いざノートに向かってみると他のことを考える余地が消滅する。純粋なものへと無心に向かっていくのが良い。

絶対値、背理法ユークリッドの互除法などをすり抜けて、今は平方根

 

ノートを睨んでいると、頭の重みが気になり、ホットペッパービューティーで髪を切る予約をする。ヘッドスパが大好きなので、これも追加しておく。

お店に着いて、試しに頭皮をむにむに触られるのだが、これはとんでもない固さらしい。首も、肩も。「身体、休めてます?」と聞かれる。4月に行ったマッサージ屋さんにも同じことを言われたのを思い出す。身体が常に臨戦態勢らしい。

髪をかき上げられ、おでこに陰影があることを指摘される。考えすぎる人間は前頭葉が前の方に出てくるとのことで、いつかおでこがリーゼントになるのではないかと震え上がる。とにもかくにも、おでこを引っ込めてくださいと懇願する。

施術はそりゃもう夢見心地で、肩や首がすっかり軽くなる。髪もバッサリ、頭の重みが消えて天に吸い込まれそうな気分になる。だけど数学の考えすぎは別問題? 帰宅して少し悩んでいる。


Soutaisei Riron - Renaissance (相対性理論 - ルネサンス) - YouTube


レトロな少女 MV 「さんすうのこたえ」 - YouTube