泥棒

どうも、非常にでっかい台風が上陸するらしい。防災リュックから懐中電灯を取り出し、湯船に水を張っておく。物干し竿は地面に置いて、スマホで気象情報をだらだら眺めている。南九州に住む親戚たちが心配である。

彼らの住む街の川が氾濫しそうになったり大雨特別警報が発令されたりと、とにかく気が気じゃない。真夜中、ふいに起きてスマホを見ては不安になる。

翌朝になって母と通話する。親戚たちはみんな無事だが、祖父母の家のニワトリ小屋が吹き飛んだらしい(幸いにも現在ニワトリを飼っていない)。恐ろしい。

 

今春に大阪に帰ってきた僕は、この街が水害に弱いのかよくわかっていない。頻繁に冠水するのだろうか。念のため本や楽器を全てロフトに移して、実家に避難する。夜になっても台風らしさを全く感じず、すやすや眠る。杞憂に終わるのが一番だ。翌朝、のんびり自転車で自宅に帰る。台風の季節が終わるまで、本はロフトに置いておく。

 

ようやく秋らしい涼しさを肌で感じるようになった。事業所に通所した帰り道、橋を渡っていると風がびゅうびゅうと吹いており、向かい風で漕いでも漕いでも進まない。息を切らして橋を越え、自宅へ走っていると細長い何かを持ったお兄さんが歩いている。近づいて目を凝らして見ると、「〇〇町△丁目」と書かれた街区表示板をせっせと運んでいる。電信柱からもぎ取ったのか、裏面には両面テープのようなものが付いている。そういうのをコレクションしている方で泥棒かと思って身構えたが、身なりがきちんとしているので剥がす仕事をしている方なのだろうか。でも、そういうのってトラックで運びそうだよな。やっぱり泥棒なのかしら。